東日本大震災について

今回の東日本大震災は未曽有の大惨事となりそうです。被災させた方々におかれましては、深くお見舞い申し上げます。

東京では、放射線で人体がやられるのではないかという話題で持ちきりです。ある大手の会社はグループすべての社員を自宅待機にしたそうです。僕はとても理解に苦しみます。

まず、現在信頼のおける機関が出しているほぼすべてのデータが「東京都内は安全である」という結論を支持しています。東京より北にある筑波大学はアイソトープ総合センターのデータを元に「風説にまどわされるな」と関係者に警鐘を鳴らしています。

筑波大学 | 最新情報 福島原子力発電所の事故に係る対応について

文部科学省のデータでは、現在東京都で観測される放射線量は毎時0.147マイクロ・シーベルトです。これは日常的な胃のX線検診で人体が受ける毎時600マイクロ・シーベルトの500分の1に満たない量です。

放射線医学総合研究所でも、結論として「何もしなくていい」と言っています。

東北地方太平洋沖地震関連情報

この主張に対して、

いや、今後どうなるかわからないじゃないか!

というかもしれません。

それはおっしゃるとおりです。どうなるか誰にもわかりません。全ては確率論です。

しかし、確率論であるが故に、冷静にその確率を分析する必要があります。

たとえば我々は飛行機に乗ります。冷静に考えると、上空10000メートルを飛ぶ鉄の塊に乗るわけなので、万が一があったらほぼ死亡です。けれども我々は飛行機に乗ります。それは飛行機で死ぬ確率がとても小さいことを知っているからです。ちなみに飛行機に毎日乗った場合でも死ぬ確率は438年に1回です。

その438年に1回の飛行機がこの飛行機かもしれないじゃないか!!!!!

と主張する人もいるでしょう。それは正解です。それは誰にもわかりません。おそらく飛行機事故で亡くなった方はみんなそうです。

では、今回の原子力発電所が、今後何かの原因で大爆発を起こして、原爆みたいになる可能性はどのくらいでしょうか?たぶんほぼゼロです。

では、今回の原子力発電所の事故による放射線であなたが甲状腺癌になる確率はどのくらいでしょうか?それは、あなたが居酒屋に行ってとなりの人がタバコを吸っていて、その副流煙で高まる発がんリスクよりも低い値です。

けれども私は絶対癌になりたくないから、タバコの半径10mには絶対に近づかなし、だから今回も逃げるんだ

という人。すばらしいと思います。ちゃんと確率論から考えています。

けれども何も考えずに「放射線=危険=逃げろ」と思っている人もいるのが現実のようです。

もしかしたら大きな会社の人は、今後何か不測の事態になったときに、従業員や従業員団体から訴訟を起こされるのを危惧しているのかもしれません。そのリスクを考えてすべての従業員の満足度を上げるために自宅待機にしているのならばとても理解できます。そのリスクは予測するに少しは高そうです。

インターネットはさまざまな正確なデータを与えてくれます。正確ではないデータも与えてくれます。それを取捨選択するのは、その人の能力です。だからぜひ、これを読んでいる方は、情報をきちんと取捨選択してほしいと思います。そして定期的に信頼の置ける機関が出している情報を、正確に読み取り、理解し、行動してほしいなと思います。

正解はありません。けれども、正確なことはあります。私たちはネットの力でそれを得ることができます。