NYの希望と現実

先週からNYに仕事で来ています。

昨日の朝に時間を作ってLower Manhattanまで足を伸ばしました。Lower Manhattanと言えば、911の跡地であるグランドゼロ(最近はこの名前は使われていないようです)や、いまニュースで話題のウォール街があるところです。

初めてNYに来たのは、2007年の春で、それから2010年、2011年と来ています。

2007年に訪れたとき、グランドゼロは悲しみと、希望と、チャンスと、さまざまな思惑が渦巻いていたように記憶しています。遺族が涙を流しながら祈りを捧げ、その横で観光客が写真を撮り、そしてその観光客相手に当時の写真を道で売っている商人がいる。そんな混沌とした場所でした。

3年が経ち、2010年に訪れてみると、様子はすっかり変わっていて、そこは希望に溢れていました。新しい一歩を歩んで行く、そんな強いアメリカを感じました。グランドゼロの跡地には、メモリアルパークと、世界最大のビル群(ワールドトレードセンター)が建てられることになり、工事は急ピッチで進んでいました。しかし、まだその完成を想像できませんでした。目の前には太い赤い鉄筋が無数に立っているだけだったのです。

そして今年。同じ場所を訪れてみると、その様子は一転していました。そこには確かにOne World Trade Centerがありました。1年でこんなにも変わってしまうのかというほどです。

あと3年もすれば、すべての建設が完了して、ここは世界で最も有名な場所の1つになることでしょう。さまざまな人がこのWTCの完成を心待ちにしている、まさに希望に満ちた場所と言えるのかもしれません。

一方、道を挟んだ反対側は深刻です。

ぼくは今まで何度となくアメリカを訪れていますが、このような星条旗は見たことがありません。アメリカの象徴であるニューヨーク証券取引所の前にある星条旗です。ウォールストリートは多くの警察車両で封鎖され、何百人もの警官が警備にあたっています。休日とはいえ、こんなゴーストタウンのようなウォールストリートは初めてです。

このデモは収まる気配を見せません。根底にはさまざまな思いや、思想や、怒りや、悲しみがある中で、世界経済の中心の中心が今まさにこのような状態であるというのは変えられない現実です。彼らがどんなゴールを迎えるのかわかりませんが、世界各地で勃発している「ウォール街を占拠せよ」というデモ活動は、大きな流れの中の一握りな気がしてなりません。

1年ぶりのNYで、NYの希望と、現実を見た気がしました。

トピックス:「ウォール街を占拠せよ」 – WSJ日本版 – jp.WSJ.com