「Webアナリスト養成講座」読書会 第2回

「Webアナリスト養成講座」読書会の第2回が終了した。

Webアナリスト養成講座 (CD-ROM付)

第2回はデータの収集についてだった。

そもそもデータには何種類あるのか?本書では4種類に分類されている。

  1. ページ遷移データ
  2. 成果データ
  3. 調査データ
  4. 競合データ

ページ遷移データ

ページ遷移データというのは、いわゆるPVやUU、アクセスログといった通常取られるユーザーの行動履歴のことだ。これらを取得するための方法は4種類定義されている。

  1. サーバーログ
  2. Webビーコン
  3. Javascriptタグ
  4. パケットスニフィング

それぞれの特徴は下記のとおりであり、特徴にあわせて選択しなければならない。

サーバーログ
最もアクセスしやすい
ログファイル解析プログラムには多くの種類があり、無料で簡単に手に入るものがおおい
検索エンジンロボットの行動データを取得して保管することができる
そもそもマーケティング用につくられたものではない
他のメカニズムを使って取り込んだデータを保管するために使うとよい
Webビーコン
imgタグで記述された2,3行のコードなので、どんなWebページであっても実装しやすい
取得情報を最適化できる
ドメインをまたがって収集するときに役に立つ
Gmailなどデフォルトでリクエスト送信がOFFになっているブラウザが増えている
複数サイトに渡って訪問者の行動を追跡したり、Eメールの開封、閲読率を調べることに適している
Javascript
Web analytics業界において新たなビジネスモデルの先駆者となった
サーバーログ以外で、一番初期導入が簡単
ベンダーのASPを使ってすぐにレポートが出せる
どのようなデータを集めるか自由に細かく設定できる
サードパーティーのcookieを使えば、自由に複数のドメインのユーザー追跡が可能
JavascriptをOFFにしているユーザーが2%から6%はいる
パケットスニフィング
わざわざタグを埋めこまなくてよい
とてつもなく膨大なデータを扱うことができる
けっこう高く、専門的な環境構築が必要

これらの中にこのような記述があり、読書会メンバーの1人がフォーカスしていたので紹介する。

▼すべてのデータ収集システムは脆弱で不完全

「100%正確なデータを取り込む方法がないことを、素直に受け入れる
 ことは重要である。」

大前提としてのマインドセット。この前提の上で全体としてほぼ正確なデータ
として分析していくことが重要。

ページ遷移データ

成果データを追うことは、「何が起こったのか」を読み解くことである。本書では「イーコマース」と「見込み顧客獲得」、「ブランド構築と顧客サポート」について書かれていたが、基礎的な部分だったので、割愛する。

調査データ

調査データはWhyを知ることである。これらを知るための方法は次の第3回で詳しく議論されるらしいが、基礎的な部分はこの章で議論されていた。

まず固定概念を払拭することが必要だ。すべての定量分析者に定性データの価値を納得させる必要がある。

次に定性チームと定量チームの協力体制が必要である。これらが互いに強調的に動く形態が望ましく、成果を最大化するには、こうした組織プランを練り、意思決定者の決済を仰ぎ、正しいリーダーシップを備えたチームを作成しなければならない。

そして最後がタイミングだ。定性データの収集をするためにいつがベストなのかを常に考えなければならない。

競合データ

競合分析には3つの手法がある。

  1. パネルベースの測定
  2. ISPベースの測定
  3. 検索エンジンデータ

それぞれの特徴は下記のとおりであり、これもまた、特徴により選び分ける必要がある。

パネルベースの測定
人数の違いを考慮すべき
1ヶ月あたり100万人以上のUUがあるサイトの分析に適している
ISPベースの測定
サンプルのサイズがとても大きい
各サイトの深い分析まではあまりできない
マーケティングには適している
検索エンジン
無料
どのツールも発展途上である

第3章ではいよいよ一番興味深い定性分析の手法について議論がされる。

「Webアナリスト養成講座」読書会 第1回

「Webアナリスト養成講座」読書会の第1回が終了した。


Webアナリスト養成講座 (CD-ROM付)

今週は1回目ということで軽く・・・かと思ったらそういうこともなく、かなり白熱した議論になった。

本当に良い会だ。

ではさっそく第一章のアジェンダ。

1 Web Analyticsの現在と未来

Web Analyticsの簡単な歴史
Web Analyticsの現状と課題
旧来のWeb Analyticsは死んだ
Web Analyticsはどうあるべきか?

内容は、いわゆるWebAnalyticsと呼ばれる「分析」の歴史がはじめにあり、その問題点・課題の提示、そして我々が今後学んでいくアナライズというものの定義の確認だ。

まず歴史からだが、歴史はとくに事実の確認なので、問題なく読めた。

そこで次に出てくる話が、「過度な分析依存は思考停止をもたらす」ということ。

僕たちはデータを本当にたくさん取りたがる。PVもそうだし、UUやコンバージョン数。でもそのうちどのくらいが有益なものなのだろうか。本当に必要なものは何なのだろうか。データデータデータ。でも結局何も解っていないじゃないか。

これはまさしくいまの仕事と結びつく。

検索をやっていると膨大な情報を目の前にする。本当に膨大だ。そして取ろうと思えばいくらでも取れる状況にもある。しかしながら、このうちどのくらいが生かせているのか。いや、生かせていない僕たちが悪いのかもしれない。しかし膨大なデータを取ろうして、データを取ることに目がいき、まさにそれが目的になっていないだろうか。そう思わせてくれる一文だ。

では何が重要なのか。その答えは「KPI」ではなく、「KIA」だという一文が出てくる。

じゃあKIAとは何なのか?この説明が難しかった(今でもまだあまり解っていないが読み進めるとわかると信じて読み進めてみる)。

本書では「主要洞察分析」と訳されている。

主要洞察分析とは、ウェブサイトにおけるユーザーの行動が「なぜ」起こったのか、ウェブサイトが顧客に「どういう影響を及ぼしたのか」に焦点を当てたウェブ分析のこと。

と書かれている。

つまり、いままでのPVやUUみたいな「WHAT」(何が起こったのか)にフォーカスするのではなく、「WHY」(なぜ起こったのか)にフォーカスする分析だ

そしてそのKIAには大きく定性的な話と定量的なはなしがある。

定量的な話

  • クリック密度分析
    簡単にいうとヒートマップ的なもの
  • セグメント化された訪問者の傾向
    PVといったばくっとした全体の数字ではなくて、セグメントして数字を見てみる
  • さまざまなチャネルからの分析
    ウェブページみて電話をしてきたらそれはゴール。でもそれってちゃんと測定してる?

定性的な話

  • 訪問者の主要目的を知ること
    どんなにデータ見ても無理。アンケートや座談会をして直接聞けば?
  • どんだけやりたいことができたのか?
    ECサイトだったらThank Youページを見ればいいけど、それは例外。テストを仕掛けたり、ユーザビリティテストをしたり、直接聞いたりしたほうがいいのでは?

ここでびっくりしたことは、Googleのアナライズコンサルなどをしている人物から「アンケート」や「座談会」などといった言葉が出てきたことだ。そして臆することなく、「データからWHYはわからない」とか「直接聞くことも大切」などという言葉を使っているところにしびれた。

つまり、、定量的な話ばかりがフォーカスされるが、定性的なデータもデータであり、「何をしたのか?」と「なぜしたのか?」を同時に見つめなければいけない。これが大切なのに、みんな数字ばっか見すぎだというのが彼の意見だ。

これには本当にびっくりした。「データ見れてない!」とか「データをちゃんと見てる?」といった話ではなく、「意味あるデータを見ろ」「数字ではわからないこともある」ということを1章に書いているのはすごい。

話は続き、定性的なデータをとる方法はたくさんあるが、そもそも顧客満足度やタスク完遂について理解していないのなら難しいことはやらないほうがいいといわれる。

そして彼から打診されることはこのようなこと

  • ラボユーザビリティ・テスト
    ユーザーに指示ありと、指示なしで、あるタスクをしてもらう
  • サイト訪問
    顧客がいつも使うような環境でつかってみること。
  • 実験やテスト
    A/Bテストや多変量テスト
  • 聞き取り調査
    ユーザーに直接コンタクトをとり、ウェブページをいじってもらう
  • 意識調査
  • なぜこのページに来たのかを、アンケートなどを使って調べてみること

これらをどうフレームワークにしてみるとどうなるか。それが

三位一体法

だ。

三位一体には、行動分析成果分析エクスペリアンス分析が含まれる。

行動分析
顧客が何した?という従来の分析だ。
ページ遷移やクリック密度分析、セグメント化、主要指標などはこれにあたる。この本ではこの行動分析をけなしてはいるが、不必要だと言っているわけではない。大切なことは行動分析はあくまで1/3であるという認識を持たなければいけないということだ。

成果分析
顧客に役立ったか?という視点だ。so what?(だから何?)の要素と呼ばれている。
いくら行動分析ができても、ユーザーにとって成果が出たのか?を知らなければいけない。ECサイトなら購入などのゴールは取れるが、たとえばニュースサイトなどでは、ユーザーが目的のニュースにたどり着けたのかという疑問を持つべきなのだ。つまり、「何故あなたのウェブサイトは存在しているのか?」という存在意義を問う分析ともいえる。

エクスペリアンス分析
ユーザーがが何考えているのか?という視点だ。これは最も重要な視点で、この本で1つの分析手法を選べといわれたら迷わずこれを選択すると書かれている。
このエクスペリアンス分析は簡単いうと、「何故そのサイトを訪れたのか?」というwhyの疑問に答える分析だ。この分析手法はA/Bテストや顧客満足度調査、顧客の声分析などがあるが、現在の分析ではこのエクスペリエンス分析を軽く見ている傾向がある。

大切なのは、この3つのバランスを守って分析をすることだ。いくら成果ばかりみても、その行動がわからなければ意味がないし、どれだけ行動と成果がわかっていても、そもそも何故ユーザーがこのページに来てくれたのかを知らなければ、そのデータには意味がない。だからこそ三位一体なのだ。

第一章の結論は、この三位一体の概念の提示だ。

この先は、この三位一体の概念を深堀されるのだと思う。

以上が1章のまとめだ。

KIAという言葉がよくわからなかったが、読み進めればわかってくるのだろうか。

第2章が楽しみだ。

「Webアナリスト養成講座」読書会 第0回

社内で「Webアナリスト養成講座」の読書会をしようと思い立って発起してみた。


Webアナリスト養成講座 (CD-ROM付)

このWebアナリスト養成講座は「マーケティングのいろは」の「い」から始まり、最終的には「マーケティングとは?」や「アナライズとは?」、具体的な方法論まで学べる大作。ボリュームも500ページくらいあるが、小手先に頼ってばかりのマーケティングを一刀両断して、本質を王道で学んでいくかんじが好きで読んでみることにした。

嬉しいことに読書会に参加してくれるメンバーが、社長、担当役員はじめ、かなり上の人たちが多く、有益な議論ができそうなのが本当に楽しみ。

ちなみにこの本のキャッチコピーは

Googleのエバンジェリストが教えるWebサイトの最適化!顧客満足度を高め、利益を増やす戦略的分析。PV、ヒット数、アクセス数は信用するな。

内容はこんなかんじ。原則1週間で1章を読み合わせていく。

1 Web Analyticsの現在と未来

Web Analyticsの簡単な歴史
Web Analyticsの現状と課題
旧来のWeb Analyticsは死んだ
Web Analyticsはどうあるべきか?

2 データ収集―重要性と選択肢

データを取り巻く環境を理解する
ページ遷移データ
成果データ
調査データ
競合データ

3 定性分析の概観

顧客中心の本質とは何か?
ラボユーザビリティ・テスト
ヒューリスティック評価法
サイト訪問(現地訪問調査)
調査(アンケート)
まとめ

4 Web Analytics戦略の成否を分ける重要な要素

顧客中心主義宣言
ビジネスの課題を解決する
Web Analyticsを成功させる「10/90ルール」とは何か?
仕事のできるWebアナリストを雇う
最適な組織構造と責任体制を見出す

5 Web Analyticsの基本事項

データの取得:サーバログか、JavaScriptタグか?
最適なWeb Analyticsツールを選択する
ページ遷移データの品質を理解する
タグ実装のベストプラクティス
3段階の「だから何?」テストを行なってみる

6 1ヶ月目:Web Analyticsの基礎と基本的指標

第1週:基本を理解するための準備
第2週:基本的な指標を再考する
第3週:標準的なレポートを理解する
第4週:Webサイトのコンテンツ品質とナビゲーションのレポートを使う

7 2ヶ月目:Webデータ分析を開始する

事前準備と体制
eコマースサイトのスタートガイド
サポートサイトのスタートガイド
ブログ計測のスタートガイド
第4週:反省とまとめ

8 3ヶ月目:検索分析―サイト内検索、SEOとPPC

第1週:サイト内検索分析を実行する
第2週:SEOを始める
第3週:SEO対策を計測する
第4週:検索連動運動型広告(PPC)の効果を分析する

9 4ヶ月目:メールマーケティングとマルチチャネルのマーケティングを計測する

第1週:メールマーケティングの基礎
第2週:メールマーケティング―高度なトラッキング
第3週と第4週:マルチチャネル・マーケティングの追跡と分析

10 5ヶ月目:Webサイトテストで顧客の声を聞く方法―顧客のパワーを利用して成果を上げる

第1週と第2週:テストの意味と価値を理解する
第3週:何をテストするか―具体的な選択肢とアイデア
第4週:テストのプログラムを作成する

11 6ヶ月目:ベンチマーク、ダッシュボード、シックスシグマを活用する

第1週:ベンチマークと目標設定で人を動かす
第2週:ダッシュボードで経営層の目を覚ます
第3週:ダッシュボード作成のベストプラクティス
第4週:Web AnalyticsにシックスシグマとPEを適用する

12 7ヶ月目:競合分析とWeb2.0分析

競合分析
Web2.0分析

13 8ヶ月目以降:間違いだらけの「Web Analytics神話」を斬る

経路分析:時間・リソース・金の無駄遣いだ
コンバーション率:これほど有害な指標はない
完璧の追求:Webデータに完璧を求めても仕方ない
リアルタイムデータ:利用料に見合う成果はあるのか
標準的KPI:他人の言うことを鵜呑みにしてはいけない

14 先進の分析概念―あなたのWeb Analyticsを強化する

統計的な有意差の力を解き放つ
セグメンテーションの驚異的な力を使う
分析とレポートを結びつけよう
コンバーション率のベストプラクティスを使う
検索エンジンマーケティングと検索運動型広告の分析を向上させる
すばらしいサイト離脱率の計測
購入までの日と訪問回数を測る
統計の管理限界を活用する
コンバーション可能な機会の大きさを測る

15 データに基づいて判断する文化を創造する―実践的なステップとベストプラクティス

Web Analytics管理者やリーダーを探すための重要な技能
いつ、どうやってコンサルタントや社内のエキスパートを雇用するか
データによって意思決定する文化を作るための7つのステップ

このブログでは、その週のまとめとおもったことをつらつら書いていこうと思う。

では次は第1回で。


Webアナリスト養成講座 (CD-ROM付)