もしあなたが野球選手だったら

ぼくのチームに少し遅れて新卒が入ってきました。エンジニアです。

最近のぼくの朝は、彼の日報をチェックしてそれに対してコメントを書くところから始まります。書く内容は、ぼくが彼に期待していることやこういう考えを持ってほしいということを毎日耳にタコができるかのように書くという、読んでいる方からすると「またかよー」という内容のものです(笑)ただ大切なのでそれでいいんです。気にしません。

さて、今日はその話題についてちょっとだけ書きたいと思います。この内容を彼が本当に理解し、実行できれば、日報には次のステージの内容を書こうかなと思います。そのレベルになったらもはや日報では書けない話題などもあるので、飲みながら話そうと思います。はやくそうなってほしいと願っています。そしてこれを読んでいるルーキーの人たちや、学生の人たちにも参考になればよいと思います。

新卒というのはいろんなことを覚えないといけません。結果も出さないといけません。仕事に対する姿勢みたいなものも先輩によってそれぞれだと思います。結局どうしないといけないのかという悩みに苛まれます。

けれども、いつものとおりシンプルにこう考えてみましょう?

「もし、あなたが野球選手だったら」

新卒で入ってくるというのは、ドラフトにかかって、もしくは逆指名をしてチームに入ってくるということです。あなたはドラフト1位かもしれませんし、育成選手として入団したかもしれません。けれども残念ながらどのような経緯で入団したのかと、そのあとの野球人生が成功するのかはあまり関係ありません。もちろん期待されて入って結果を残す選手もいますが、そうじゃない人もいます。なのでまずは全部捨てることです。あなたがどんな経緯で入ってこようが関係ありません。

ではルーキーとしてまず始めに何を目指すべきでしょうか?

これはたぶんみんな同じです。「開幕一軍」。

まずは一軍に残らないとお話になりません。サラリーマンの世界では1軍、2軍という切り分けは明確にはありませんが、あえて当てはめるなら、毎日遅刻遅刻せずにきちんと会社に来るということです。挨拶をするということです。電話を取るということです。人の話を聞くということです。感謝をするということです。まずこれができないと残念ながら2軍です。

じゃあ晴れて1軍に残ったらあなたは次は何を目指すでしょうか?おそらく「レギュラー定着」だと思います。

ルーキーでレギュラーになるためには何が必要だと思いますか?まずはこれがあなたに最も必要なことですよね。それはずばり結果です。与えられたチャンスできちんと打つ。チャンスを与えてもらうためには、毎日まじめに練習に参加して、監督にアピールしないとダメです。だからまずはチャンスをもらうために、きちんと練習に万全の体調で来て、与えられたメニューをきちんとこなす。ただ、これはあくまでチャンスをもらうためにやることで、目的は結果を残すことです。

これってわかっている人は実はけっこう少ない。仕事に対してがむしゃらにやるというのは、がむしゃらにやることが目的なのではなくて、あくまで結果を残すことが目的なわけです。結果が伴わなければ、監督は使えません。いくら練習しててもです。だからチャンスをつかみ、結果を残す。これがまずはあなたがすべきことです。

チャンスというのはどこにあるかというと、目の前の目標です。だから四の五の言わずに目標に対してやれということです。そして結果を出す。そうすると次のチャンスが巡ってきます。いままで5試合に1回しかチャンスをもらえなかったのに、3試合に1回になり、ここぞという場面に使ってもらえるようになる。そして結果を出す。

くどいようですが、もう一度言います。チャンスをつかむ、結果を出す。結果を出せばチャンスがもらえる。そして結果を出す。この繰り返しです。

正直その他はどうでもいいと思います。3日間徹夜してもいい、3日間飲みまくってもいいです。学校じゃないから、ちゃんと結果を出してくれればそれで問題ありません。けども結果が出なければがんばるしかないですよね。野球選手だって結果が出なければ休日返上で特打をするし、走り込みをしたり、体のメンテナンスをしたりする訳です。時にはコーチに相談することもあるでしょう。だから結果が出ないのであれば、結果を出すためにがんばってください。このがんばるという言葉は、あまり好きではないですが、がんばるしかないです。そして得てして新卒というのはうまくいかないものです。だから結局は物量でカバーしなければいけない期間があるわけです。別に苦労せずに結果が始めから出せるスーパーマンみたいな人だったらいいですが、だいたいの人は凡人な訳で、そしたらある程度物理的な時間をかけて結果を作っていくプロセスは避けることはできないと思います。結果が出てないのに、外車で遊びまくる野球選手はどうでしょう?ダメですよね。結局そういうことなんです。だってOFFだもんと言っても、それでレギュラーが取れる訳がない。こういう人の行き着く先は?戦力外ですよね。だから、時間とか効率とか働き方とか、言い始めたらきりがないですが、全部どうでもいいから、とにかく結果を出しましょう。勝てば官軍。まずはそれでいいんです。

こうやって信頼と結果の両方を積み上げて行くと、チームの中であなたの色が生まれてきます。強みと言い換えてもいいでしょう。これが初めてレギュラーをつかんだ瞬間です。ここまでがんばりましょう。まずはここまでです。勘違いしてはいけないのはキャラではありません。あくまで実績にともなう結果と、その再現性からでてくる色です。この色をまずはつかんでください。

何をすればいいかは明確です。まずはちゃんと会社に毎日来て、当たり前のことを当たり前のようにやる。挨拶をする。電話を取る。簡単でしょ?そしてチャンスをもらう。チャンスに結果で答える。そしたらまたチャンスがもらえます。そしたらそれにまた結果で答える。

ぼくらもだてにマネージメントをしているわけじゃないので、表面のがんばりにはごまかされません。目立つ必要はありません。全員ちゃんと見てます。ちゃんと見てるから、ちゃんと結果を出してください。そしたら次のチャンスが自ずとやってきます。

そうそう、と読んでいたルーキーを卒業した人もいると思うので、その人たち向けの話は次にしようと思います。

NYの希望と現実

先週からNYに仕事で来ています。

昨日の朝に時間を作ってLower Manhattanまで足を伸ばしました。Lower Manhattanと言えば、911の跡地であるグランドゼロ(最近はこの名前は使われていないようです)や、いまニュースで話題のウォール街があるところです。

初めてNYに来たのは、2007年の春で、それから2010年、2011年と来ています。

2007年に訪れたとき、グランドゼロは悲しみと、希望と、チャンスと、さまざまな思惑が渦巻いていたように記憶しています。遺族が涙を流しながら祈りを捧げ、その横で観光客が写真を撮り、そしてその観光客相手に当時の写真を道で売っている商人がいる。そんな混沌とした場所でした。

3年が経ち、2010年に訪れてみると、様子はすっかり変わっていて、そこは希望に溢れていました。新しい一歩を歩んで行く、そんな強いアメリカを感じました。グランドゼロの跡地には、メモリアルパークと、世界最大のビル群(ワールドトレードセンター)が建てられることになり、工事は急ピッチで進んでいました。しかし、まだその完成を想像できませんでした。目の前には太い赤い鉄筋が無数に立っているだけだったのです。

そして今年。同じ場所を訪れてみると、その様子は一転していました。そこには確かにOne World Trade Centerがありました。1年でこんなにも変わってしまうのかというほどです。

あと3年もすれば、すべての建設が完了して、ここは世界で最も有名な場所の1つになることでしょう。さまざまな人がこのWTCの完成を心待ちにしている、まさに希望に満ちた場所と言えるのかもしれません。

一方、道を挟んだ反対側は深刻です。

ぼくは今まで何度となくアメリカを訪れていますが、このような星条旗は見たことがありません。アメリカの象徴であるニューヨーク証券取引所の前にある星条旗です。ウォールストリートは多くの警察車両で封鎖され、何百人もの警官が警備にあたっています。休日とはいえ、こんなゴーストタウンのようなウォールストリートは初めてです。

このデモは収まる気配を見せません。根底にはさまざまな思いや、思想や、怒りや、悲しみがある中で、世界経済の中心の中心が今まさにこのような状態であるというのは変えられない現実です。彼らがどんなゴールを迎えるのかわかりませんが、世界各地で勃発している「ウォール街を占拠せよ」というデモ活動は、大きな流れの中の一握りな気がしてなりません。

1年ぶりのNYで、NYの希望と、現実を見た気がしました。

トピックス:「ウォール街を占拠せよ」 – WSJ日本版 – jp.WSJ.com